2011年10月06日

10月4日に生まれて



公演の初日が終わった後、ロビーのほうに行くと、手伝ってくれているスタッフの女性のひとりが私に小さな紙切れを手渡しました。
二つに折りたたまれていました。

「女の子が泣きながら、舞台を作った人に渡して下さいと言ってました」と彼女は言います。

その紙を開くと、こう書いてありました。


「わたしは演劇を見るのはほとんどはじめてなんですが、自分が天国にいるみたいでした。こんな経験初めてでした。」



これを読んで、「俺と同じように思っていた人がいたんだ」と知りました。私も、リハーサルの時から、舞台の最後の10分間くらいの間、「この世にいる感じがしない」というような気分を感じていました。天国を見ているというより、そこにいるというような感じ。

俺は今どこにいるのだろう」と。


天国というのは曖昧な比喩ですが、要するに「夢のように心地よい風景と感覚」というような意味です。
最後のほうのシーンを見ていて、私は毎日その感覚にとらわれていました。
公演を見た他の何人かの人からも同じような感想をいただきました。

そのシーンでは、布で全身を隠した女性ともうひとりの女性が、煙(スモーク)で視界が消えかかった中で長い長いキスをしています。


詳細はともかく、今回の公演の出来は私にとって「奇跡」でした。

リハーサルなどを見ていた時に、すでにこれは私の公演などではない、ということを感じていました。私はすでにこの作品に参加させてもらっているひとりの人間に過ぎないと。

もはや「誰のもの」とか、「どんな脚本」とかいう観念はなく、強いて言えば、「作品そのものが独立していった」としか言えないもので、個人的にも生涯であれほど素晴らしい光景の連続を実際の目で見たことはありませんでした。


とはいえ、いくら書いても私の作品としてクレジットされている作品ではあって、このことをこれ以上書いても、自画自賛にしか当たらないと思いますので、ここまでにしますが、私は本番10日前くらいから決めていたことがありました。

それは、この作品を見て、見ている人に「こう思ってほしい」ということが決まってきていたのです。

それは、観客が女性の方なら、


自分がこの地球に女性という存在として誕生してきたことを心から幸せだと思ってほしい


ということ。

そして、観客が男性なら、


「その『自分がこの地球に女性という存在として誕生してきたことを心から幸せだと思っている女性』と同じ地球に存在できることを心から幸せだと思ってほしい」


ということでした。

そして、私は男性ですが、今、この後者の「『自分がこの地球に女性という存在として誕生してきたことを心から幸せだと思っている女性』と共に、この地球に存在できることを心から幸せだと思う」という気持ちに完全に生まれ変わっています。


公演は10月3日と10月4日の二日間でしたが、特に10月4日にこの気持ちが大きく自分の中に芽生えました。

つまり、私にとっては、この10月4日という日が二度目の誕生日となりました。

この日に(私個人の)宇宙と世界は再起動したようです。


クレアで執拗に書いていた「男性と女性の問題」は、その概念においては、この10月4日に完成した感じがあります。とはいえ、「人類の未来」などにあるような理論的なことはまだまだ進んでいないので、考えること自体は多そうですが。


そういえば、今回の公演のもうひとつの目的。

前々回記事の パンドラとヌーワ に出てきた不良少女のパンドラちゃん。

彼女の心の苦しみを癒やすという大きな目的がこの公演にはありました。
そちらのほうもある程度はうまくいったようです。

毎日、朝早くから来ていたパンドラちゃんは、最終的に劇場の人から最も信頼されるスタッフとなっており、また、稽古や公演が終わるごとに私にイラストつきのアドバイスをくれるようになりました。

公演の最終日には、私は彼女を正式に「演出補助」として紹介しました。
パンドラちゃんはとても元気になりました。


そして、私は勘違いをしていました。

「私がパンドラちゃんを癒やさなければならない」などと思っていたのですが、結果的には、パンドラちゃんのしたことが、公演の内容を大きく進化させて、そして、それは結局、私の精神を大転換させるキッカケとなりました。

私がパンドラちゃんを救ったのではなく、「私自身がパンドラちゃんに救われた」のが実際のところです。

ちなみに、パンドラちゃんは今では私のことを「おかママ」と呼びます(笑)。
お母さんみたいなものなんだそうです。


私 「お父さんではないの?」
パ 「オカさんはモロにお母さんっスよ」


ところで、この私の精神的な誕生日となった10月4日に、私は意外な人と出会いました。
女の子です。

そして、その女の子はこの日が本当の誕生日でした。
この女の子の言葉が、私に忘れていたことを思い出させました。

しかし、ここまで少し長くなったこともあり、この女の子のことも長くなりそうですので、次に書きます。
そのくらい印象的な出会いです。


ちなみに、公演にはブログを読んで予約いただいた方も何人か来られていて、たくさんお話もしたかったのですが、実質的な技術スタッフが少ない関係で、公演終了後は点検などで、お客さんと話せる時間がほとんどなく、ちょっとした挨拶だけで終わってしまったことを心苦しく思います。

また、改めてお礼させていただきたいと思うのですが・・・。

そういえば、公演の感謝動画を作りましたので、貼っておきますね。






思えば、このブログのこちらの記事を書いた時に、初めて知ったヌーワ・・・。

なるほどねえ、と何となく思うのでした。
タグ:赤色反応


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posted by noffy at 22:59 | ニシオギ日記

2011年09月22日

高架下で会った「ミスター(ミズ)欠損くん」



クレアの記事はずいぶんと間が開いている感じがしますが、これに関しては変な話なのですが、「書きたいことが多すぎて書き始められない」というのが現実です。


そのほとんどすべては、「男性と女性というもの」に関してなんですけど、もうホントに最近、「男女」という存在について、知ること気づくことの多いこと多いこと。最近は公的な意味も含めて女性と話したりする機会も多いのですが、その中で次々と判明していく男女の違い。

今では、私はもはや「男女は違うところがずいぶんある」とは思ってはいません。
「多少似ている部分も少しだけある」という感じです。
それくらい根本的に違うと考えています。

男女の違いが「根本的なものであるかもしれない」と考えると、そもそもこの地球上に男女がこのように一緒に存在している理由から考えざるを得ない感じはします。「生殖のため」なんて理由は時代的な話であって、永久的な話ではない。

そもそも、生殖というか、「人間は増えていかなければならない」という意味すら不明と考えてしまいます。

現実の肉体が増えようが増えまいが、過去の DNA と、そこに蓄積されている記憶は地球上に無数に散らばっている中で、生殖でリアルな人類が増えていく本質的な意味はわかりにくい


これらの問題は、今となるとどこから手をつけていいものかわからず、あるいは「考えることに関して能力の限界」を感じます。

そんなわけで、どうもこのまま書けないままで人生が終わる可能性も出てきていますが(人生まで終わるのかよ)、本当にどこから書いていのかわからないです。


ところで、 In Deep に、今日、

「夢」についてほんの少しわかっていること

という記事をアップしました。

夢について学術的にわかっていることをまとめてあったサイトを訳したものです。
そんな英語の記事が気になったのも、最近、また「よく夢を見る」のです。

今日も印象的な夢を見ました。




左脳をアイスピックでグサリと

昨晩は、アイスピックかキリのようなものを持っている男が夢に出てきて、


「左脳を刺してあげましょう」


と言います。

私は、「頭に何かを刺されるのはちょっとイヤかも」とか抵抗するものの、結局、アイスピックで左脳を刺されてしまいます。

「あーあ、刺されちゃった」

と夢で思いながらも、頭の左側面を刺されている途中で(夢だと気づいているわけではないので)いろいろと考えるわけですよ、

「何センチくらいまで刺さったら死ぬんだろう?」

とか

「体を刺されるとまず痛みが来るだろうけど、頭の場合はどうなんだ? 痛みを感じる前に意識を失っちゃうのかな」

と、多少アセりながらも、向学心に燃えている部分もあって、しかし、一方で、

「向学心に燃えても、知った時には死んでるから人に伝えられないわな」

と、苦笑しながら、目覚めて「あ、夢か」と。

(>_<) また夢だと気づかなかった・・・と。


まあ、そういうわけで、いろいろなことを書くのはしばらくどうにも難しい感じですが、今日はちょっと珍しいものを見たので、日記として書いておきます。




高架下での危機一髪

私の街には長い高架があり、その下はずっと歩けるようになっていて、全区画は無理ですが、「荻窪→西荻窪→吉祥寺」と3つの駅を高架下と高架沿いだけで歩いていくことが可能になっています。

今日、買い物に出て、その高架下を歩いていたところ、少し手前に気配がすることを感じました。

「なにか生き物がいる」

と。
その周辺全体から「生き物信号」が出ていたのです。ここでいう生き物とは「大型生物」という意味です。
(私は小さな頃からわりと「生き物信号」をキャッチします)

止まって前をじっと見ますが、何も見当たりません。

後ろにも前にも通行人がいなかったので、もう少しちゃんと見てみました。
すると、3メートルくらい前の路上にゴミのようなものが落ちている。

このあたりの高架下の道はわりときれいで、小さな異物でもわりと目立ちます。
しかし、近づいても、どうしてもそれが生き物には見えない。

近づいて近づいて、そして数十センチまで顔を近づけた時、「あ」とわかったのです。


それは「尻尾のとれたヤモリ」だったのです。

確かに見れば、ヤモリなんですが、それが生き物だと気づかなかった理由として、


・生き物の形として尻尾のとれたは虫類を想定していなかった

・ヤモリの色がほとんど地面と同化していた

・微動だにしていなかった


などがあります。

ヤモリ自体を見るのもひさしぶりですが、「ヤモリが道路を歩いている」というのも完全な想定外で、当然、道路を水平に歩いているヤモリをはじめて見ました。

あまりに意外で、しばらく呆然とそのヤモリを見ていたのですが、それにしても、ヤモリ自体を見たのが実にひさしぶりでした。

私が東京に来た30年近く前は、ヤモリはそこら中のアパートの壁などに内外問わずいたものでした。「ヤモリは縁起が良い」的な迷信もあり、人間に追われることも殺されることもなく、ヤモリはそのあたりにいましたが、しかし、ここ十数年は見たこと自体がまったくありません。


思わず携帯で写真を撮ったのですが、ちょっとわかりにくいです。

yamo-1.jpg


真ん中の小さいのです。

地面の写り込みのせいで尻尾があるように見えますが、完全にシッポが欠損していて、カエルのような感じの体つきになっています。


しばらくヤモリを眺めていましたら、そこに携帯を見ながら運転している女の子の自転車が近づいてきました。
女の子はまったく前を見ていません。

すると、ヤモリが突然、自転車のタイヤの進行方向あたりに歩き始めました。
自転車の女の子はまったく前を見ておらず、あるいは見ていても、この小さなヤモリに気づくことはできないでしょう。

そして、果たして、タイヤはほぼヤモリの上を通過寸前!
見た感じでは轢かれた位置にヤモリはいました。

「あああ」と心の中で叫びました。


しかし、その直後、見ると、ヤモリは轢かれておらず、タイヤの数ミリ横で笑っていました(比喩ですよ)。そして、そのまま「つつつ」と元気に歩いて去りました。

「うーむ・・・」

と私はうなり、どうもヤモリに遊ばれていたような気にもなり、まあ、しかし、もしあの女の子がヤモリを轢いていて、そのことがわかったらあの女の子もイヤな気分だったろうし、「何となく大ハッピーエンドであった」と実感しながら帰りました。

ちなみに、今回のことは現実でしたが、「もしこれが夢だったら、どんな意味なのかな」と、帰って、ネットで夢占いみたいなサイトを見てみると、

ヤモリ 家庭での幸運。自己の側面や本能・欲求。夜の気さくな友達。夜通し一緒に居る人。保護すべきもの。慰め。

とありました。


夢で「左脳を刺され」た後に、現実では「シッポのないヤモリの危機一髪を救う」(救ったわけではないだろ)というのはどんなもんなのかなと、考えたりしたのでありました。
タグ:ヤモリの夢


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posted by noffy at 20:58 | ニシオギ日記

2011年08月10日

夏の平凡な日常



いやあ、日記というか、いろいろと書きたいことはあるんですけれど・・・。


まあその・・・気温が・・・太陽が・・・


1-sun.jpg




もっと散歩とかを・・・したいとは思うのですが・・・。

少し空を見て・・・。

2-sun.jpg



気づくと・・・


2-2-sun.jpg



あああああああああ・・・・・。



いや! こんなことではいけない! 水だ水だ!



3-sun.jpg




あー気持ちいい。これで外に・・・。



4-sun.jpg



あああ・・・あああああああああ・・・まぶしい・・・・・・



目をつぶろう! 目を閉じて歩こう・・・。



(>_<)



(>_<)



(>_<)





「目を開けてください、ご主人様」


5-sun.jpg


Σ(゚Д゚)


「誰だ! お前は誰だ!」


「目を開けてください」

2-sun.jpg




目補開けると、そこには


6-sun.png




あああ! やられた! よくわかんない外人の女の子にやられたああああああ!


そんなこと言っているうちにまた・・・

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溶けていく・・・・・。



(続く・・・何が続くんだよ)





明日涼しかったら、普通に更新できると思います。


pray-girl.jpg
タグ:日記


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posted by noffy at 22:22 | ニシオギ日記