▲ 2年ほど前におこなった公演。役名は、創造神にあやかったヌーワと、そして「パンドラ」でした。過去記事「宇宙は毎日、彼女の中で無数に作られ続ける」より。
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先日の In Deep の
・光で語り合う自分の細胞と他人の細胞。そして、人間は生きているだけで永遠を体現していることをはじめて知った日
In Deep 2013年12月23日
という記事で書きました『処女懐胎の秘密』という書籍。記事では Amazon に古本でありますと書いたのですけれど、売り切れになっていました。

せっかくいい本なのに、どこかにないのかなあと思い、発行元の株式会社パンドラの書籍コーナーを見ましたら、紹介されてはいるのですが、販売はしていないようで、出版した現代書館では、販売コーナーはあったのですが、「品切れ」となっていました。

どうも、現在は新刊としてまったく流通はしていないということになりそうです。
いい本なのに残念だなあと思いますが、まあしかし、 Amazon で「処女懐胎の秘密」というキーワードで検索しますと、そこに並んで「トンデモ本」などが出てきますので、今の世の中では基本的には「人間の単為生殖」という概念は、トンデモや、あるいは、キワモノ扱いされてしまうということになってしまうということなのですかね。
そちらのほうも何となく残念な感じもしないでもないです。
ところで、この発行元の株式会社パンドラ。
まあ・・・いろいろな意味で「パンドラ」とは縁の深い私ですので、この会社名を知った時にも苦笑しましたけれど、この会社は、書籍の発行だけではなく、映画の上映などもしているようで、そのトップページの「お知らせ」の下の文章を読んで、「え!」と思い、そして、その日付けが過ぎていたことに愕然としたのでありました。
12月21日(土)新文芸坐のオールナイトで「不思議惑星キン・ザ・ザ」『UFO少年アブドラジャン」が上映されます!
と記されていまして、そのリンクの東京池袋の新文芸坐のサイトを観ると、下の予定表が!

私は、
「キンザザを映画館で観られるチャンスだったんだ! 12月21日って、ほんのちょっと前じゃないか!」
と、それなりに悔しがったのでありました。
意外と思われるかもしれないですが、旧ソ連の映画というのは「自由な発想と、自由な表現の最高峰」の作品群を作り出していました。タルコフスキーの映画などもそうですが、アメリカ映画など、その足下にも及ばないほど素晴らしい作品が多く作り出されていたものでした。
特に、上にある『不思議惑星キン・ザ・ザ』なんてのは後にも先にも「こんな面白くて、ふざけていて、そして規模の大きな超大作映画」はないわけで、今後も作られる可能性はないと思います。
二十代の時にビデオで見て以来、「映画館で観たいなあ」と思ってはいたのですが、ついにその機会がないまま、ここまできてしまいました。
ストーリーは、 不思議惑星キン・ザ・ザ - Wikipedia からそのまま抜粋しますと、
2人の男が異星人を名乗る裸足の男の持つテレポート装置によってキン・ザ・ザ星雲の砂漠の惑星プリュクに飛ばされてしまう。星の住民は地球人と同じ姿をしており、見かけによらぬハイテク技術と、地球人類を風刺したかの様な野蛮な文化を持っていた。彼らはテレパシーが使え、通常の話し言葉は「クー」と「キュー」のみで、後者は罵倒語、前者がそれ以外を表す。
社会はチャトル人とパッツ人という2つの人種に分かれており、支配者であるチャトル人に対して被支配者であるパッツ人は儀礼に従わなければならない。2つの違いは肉眼では判別できず、識別器を使って区別する。
社会はチャトル人とパッツ人という2つの人種に分かれており、支配者であるチャトル人に対して被支配者であるパッツ人は儀礼に従わなければならない。2つの違いは肉眼では判別できず、識別器を使って区別する。
というところから始まる壮大な叙事詩です。
下はロシア人がその惑星の人間と出会う感動的な(笑)シーンです。
当時のソ連は、映画の予算はソ連という国家が出していたので、「予算は無尽蔵」。
検閲は厳しかったようですが、直接的にソ連への体制批判さえしなければ何を作ってもOKでした。そして、実際には多くの映画が、複雑な映画にしながらも結局は体制批判になっていたことも事実です。
皮肉な話ですが、ソ連が崩壊してから、ロシアには自由な映画も自由な音楽も存在しなくなってしまいました。ソ連時代には、音楽に関しても、パンクもテクノも最先端の音楽が存在していました。
ずいぶん昔ですが、東京の雑貨屋の店内で、この不思議惑星キン・ザ・ザのテーマ曲がずっと流れていたことに気づいたことがあります。「結構好きな人が多いんだなあ」と思いました。下のがテーマで、オープニングを含め、劇中で延々と流れます。
このキンザザは、現在は日本語字幕のついた DVD やビデオなどにはプレミアがついていて、まあ買えない値段というほどではないにしても、高いです。

▲ Amazon
さらに、このキンザザの映画音楽を作曲したグルジア出身のギア・カンチェリという音楽家の映画音楽集 CD は、たかが CD なのに下のようなプレミア状態。聴きたいですけれど、さすがに、 CD 1枚に1万円を出すという気にはなれません。

▲ Amazon
最近は、「ほしいものほど手に入らない」という状況が以前より多くなっていて、それはつまり、自分の好きなものが再発売されにくい世の中になっているということでもありそうで・・・。それにしても、こんなことを思い起こさせてくれたのも、「パンドラの縁」なのかも。
タグ:不思議惑星キン・ザ・ザ
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