2011年06月03日

コタが宇さんに書き続けたラブレターのことを思い出して

吉祥寺のクリスチーネFのことに心を残しつつも、何だかいろいろと考えることが出てきて大忙し。とりあえずは、音楽を聴き直すだけでも大変な時間がかかっているわけですが、もともと、持っている音源が異常な量なんです。

「このジャンルを聴く」というような方針が昔からないので、とにかく、「音楽として良さそう」なら何でも聴く。特に、ネットで MP3 等の媒体で気軽に入手できるようになってからは、収集がつかない感じともいえます。

生まれて一番最初に好きになって、フルで覚えた森山加代子さんの「白い蝶のサンバ」から40年以上。
本当にいろいろな音楽を聴くことができました。

そんなことを思いつつ変な音楽を聴いている時に携帯にメールが。
私はふだん携帯を使う習慣があまりなくて、一日のはじめと終わりくらいに一度くらい見るくらいです。

誰からかなあ、と見てみると・・・。





face0603.jpg ・・・。



(何の騒ぎだよ)



それは吉祥寺のクリスチーネFでした。


「見ちゃダメだ。 (((((((∩ ゚д゚))))) アーアアアアー」(耳塞いでも仕方ないだろ


見れば、内容的には、私を心配してくれているものでした。

「何だか人様にまで心配をかけてしまって申し訳ない」と、しばらくメソメソしていましたが、しかし、横で変な音楽が大きな音で鳴っているので、意外と立ち直りが早い。


「まあ・・・アレだな。彼女には手紙でも書こう。できれば、大島弓子さんの漫画のように」


大島弓子さんの漫画はかつて好きだったものが大変に多くて、どれがいいとかはいちいちは言えない面もあるのですが、中でも、「四月怪談」、「ダリアの帯」、「秋日子かく語りき」、「庭はみどり川はブルー」、「ロングロングケーキ」などはもう本当に好きでした。

「ロングロングケーキ」という漫画は、大学の作家サークルかなんかにいる男の子が主人公(コタという名前だったと思います)で、彼のもとに、宇宙人の人があらわれます。その人には実体がなく、性別もないんですが、とりあえず「宇宙人なので、宇さん」とその人のことを呼び、そして、宇さんには実体がないので、どんな人の姿にもなれるということで、宇さんは「コタの理想のルックスの女の子」としてコタと同居することから物語は始まります。

すぐにふたりは恋に落ちます。


しかし、途中から話はアンハッピーな方向に進み、「自分がいることで、コタオはダメになってしまう」と考えた宇さんは、他の宇宙、つまりパラレルワールドのほうへと去ってしまいます。

しかし、コタオは諦めなかった。


毎日毎日、宇さんへのラブレターを書きながら、彼は「宇さんを探す旅」に出ることにするのです。
その「旅」とはすなわち「眠ること」でした。


毎日毎日、夢の中で瞬間瞬間ふれている何億もの別の宇宙、別の世界を旅するには「夢の世界を探すしかない」と。

そして、コタは長い長い眠りの中で、ついにある夢の中で宇さんを見つけます。宇さんを見つけたコタは、「これからの自分の人生は、宇さんにラブレターを書き続ける」とします。

眠りから目覚めたコタは精神病院に入れられることになり、(多分)一生そこで過ごします。

その隣には常に宇宙人の宇さんがいて、コタは死ぬまで彼女(性別はないですが)にラブレターを書き続ける生活となります。コタオが書く文章は小説として世に流れ、日本中の人々がコタの「相手のいない(とみんなは思っている)ラブレター」に感動し続ける。


・・・というような漫画でした。

思い出しているだけで書いているので、詳細はテキトーですが、これを読んだ20年くらい前だったか、「ああ、いいねえ」と思いました。


long-long-cake.jpg

▲ ロングロングケーキで検索すると、この絵がたくさん出てきます。でも、これは宇宙人の宇さんじゃないな。


周囲からは「見えていないものに恋している」として狂気のレッテルを貼られてしまうわけですが、コタは一度、宇宙人の「宇さん」に去られる体験をしているので、まあ、必死なわけですよ。ずーっとラブレターを書き続けなければ、また宇さんはいなくなってしまう。だから、「生きていることが=ラブレターを書くこと」になっていく。


そういう「目的がはっきりしている生活」というのはいいなあと。

残念ながら、わりと日々「のべー」と生きてきたので、「生きている目的は何か」というのは考えることがあまりないままでした。


さて、こちらも吉祥寺のクリスチーネFに手紙でも書いてみようか。

ところで、吉祥寺のクリスチーネFのほうは本当に存在するんだろうな・・・
宇さんと同じにパラレルワールドの人じゃありませんように。

ああでも、それならそれでいいのか。
コタの方法論もあるし。
眠ればいつか会える。


Sponsored link




posted by noffy at 19:08 | 雑記