2010年03月29日

地球の成り立ち(1) - 生命の確率



最初は、このシリーズはある程度完成が見えるくらいまで書いてから一気にアップ・・・などと考えていたのですが、しかし、考えてみれば、音楽のサイトで昨年の11月くらいから始めた、「コルマンインデックスの第6の夜と音楽」という特集も、すでに5ヶ月目に入ったのに、終わるどころか、混迷の度を増していくばかり・・・。

多分、私という人間のやることは「完成」に結びつかないのだと悟りました。
なので、この地球の成り立ちというようなテーマに関しても、書ける時に書いていこうと思います。エンディング・テーマとしたものの、どうも終わらないような感じもいたします。

さて、今回は「地球の成り立ち(1)」というタイトルですが、前段階としていくつか序章的に書いておきたいことがあります。



麻雀とアミノ酸の配列

一般の日常生活では、そんなに分母の大きめの確率とふれることはないと思いますが、わりと確率と近いところにいる人々がいます。それは、ギャンブルをする人たちです。パチンコ、パチスロから、麻雀、チンチロリン、競馬などもそうですが、あらゆる部分でギャンブルの場で人は「確率」と対峙します。

私は今はギャンブルは全然やらないですが、高校の頃から三十代の頃まではギャンブルばかりやっていました。「ギャンブルのために働いている」というような日々で、そんな大人は今も昔もゴロゴロるでしょうが、そういうダメ人間たちのひとりですね。

個々のギャンブルの「確率への依存度」の高低はありますが(人為的な要素が絡む競輪などや、ストック系パチスロでは確率依存度が低いなど)、ギャンブルのブログではないので、そのあたりはまあ適当でいいです。いずれにしても、ギャンブルやゲームの多くでは「確率の低いものに高い配当が出る」傾向があります。

たとえば、麻雀というゲームがあります。
136枚あまりのパイを14枚で上がる形にしていくものです。このたかが「麻雀」でさえ、プレイヤーが直面する確率にはものすごいものがあります。こちらのページにありますが、その組み合わせの総数は、

425京305兆291億6821万6000

もあります。
兆の上の「京」という単位が出て来ます。
また、14枚の組み合わせでの「上がり」と呼ばれる最終的な組み合わせの数も、

12兆8590億7820万7674

あります。
麻雀には「役」というものがありますが、これは狙う狙わないの意志の問題があり、確率は計算できないのですが、計算できる役に「天和」(テンホー)という、配られた時にすでに上がっているという役があります。
この発生確率を上のページのままに書くと、

4250305029168216000 分 の 12859078207674

だそうです(笑)。
33万分の1ということですが、上のように、「 4250305029168216000 分 の 12859078207674 」と書くと、なんだかものすごいものがあります。

このくらいの確率でも、私程度の人間は結構「スゴイ」と思ってしまうのですが、さて、ここから話は少し飛躍しますが、私たちは子どもの頃、中学などの生物や、あるいは科学などで、地球の生命は「無機物が偶然に組み合わさって自然に有機物ができた」と教えられてきました。

私もずっとそう思っていましたし、「生命の発生って奇跡だなあ」などと思っていたのですが、しかし、最近わかったのですが、「奇跡すぎる」のです。

ここからの数字は、フレッド・ホイル博士の著作からもってきたものと、私がいろいろと持ってきたものが合わさっていて、厳密には違っているところもあるかもしれませんが、10兆や100兆くらいの誤差は何でもないとしてお読み下さい。


生き物とは

肉眼では見えないような小さなバクテリアのような生き物でも、構成は結構複雑で、真ん中に核酸というコアがあって、そこにいろんなタンパク質やら何やらがくっついてできています。うめぼしのおにぎりで、「梅が核酸で、ご飯や塩や海苔がタンパク質」というようなものです。

320px-Average_prokaryote_cell-_en.svg.jpg

Wikipedia よりバクテリアの構造。


ume-1.jpg

▲ 梅干しのおにぎりの構造。このおにぎりも、「意志なくランダムに作られること」はほぼ不可能。



バクテリアなんて大きさも構造も大したもんでないと思われると思います。しかし、この「大したもんではない」ものが「無機物から偶然に」出来上がるための確率はどのくらいのものなのか。

ホイル博士は著作「生命 ( DNA ) は宇宙を流れる」で、「100個のアミノ酸からなる酵素を、完全にランダムな選択の過程によって作ると」ということで、その確率がどのくらいかを説明しています。要するに、「無機物をテキトーに組み合わせて有機物が出来る確率」です。

酵素というのは生命を構成する上での、まあ基本ということのようで、上のバクテリアについているうちの小さなひとつで、おにぎりで言うコメです。コメのないおにぎりはおにぎりではありません。

おにぎりついでに書くと、「完全にランダムな選択の過程によって」というのは、たとえば、上の梅干しのおにぎりでいうと、目隠しをしてスーパーマーケットに入って、商品を選ばずに手当たり次第に手にしたものをくっつけていって、「ちゃんとした梅干しのおにぎりができる確率」というような比喩でもいいかもしれません(いいのかよ)。これだけでも難しそうなことはおわかりかと思います。

おにぎりはともかく、「100個のアミノ酸からなる酵素を、完全にランダムな選択の過程によって作る」その確率

生物のからだを作るのに使われるアミノ酸は20種類だそうで、その中で、特定の機能を持つ酵素を作るためのアミノ酸の配列はすべて決まっているのだそうです。

つまり、

100のうち最初の1つのアミノ酸は20種類の中からひとつ選ばれます。
「20分の1」の確率から正しく選ばれなければならないわけです。

ひとつめですでに確率は

20分の1

ふたつめも20分の1。

みっつめも20分の1・・・と、100個まですべて20分の1の確率を最後まで正しく選んで構成していかなかいと、機能するための「生き物の素」というのはできないのだそうです。これは、パチンコで言うと、「大当たり確率20分の1のパチンコ100台を打って、全部1回転目に当たる」という感じです(お、なんかわかりやすいかも)。

その確率。

10の130乗分の 1

数字として書いてみようと思いましたが・・・、

1000000.jpg

やっばり無理でした(笑)。
よくわかんない。

まあ、このうち、似たようなアミノ酸で代用して構成することを考えて、もう少し確率は甘くなるようですが、さて、しかし、この「10の130乗分の1」の確率を乗り越えても、まだやっと「ほんの小さな酵素がひとつできただけ」なのです。


そして、上の果てしない確率をくぐり抜けたとして、たとえば、小さな単細胞生物ひとつができるためにこれがどれだけ必要かというと、大体「2000個以上の酵素から生き物は構成されている」らしいのです。


そして、自然発生説では、これらがすべて「偶然に起きた」としているわけです。

その確率。
最初に出た数字の「10の130乗分の1」からみると、

10の130乗分の1 × 2000

から見ると、すなわち、

10の26000乗分の1

ということになります。
これもパチンコで言うと、「大当たり確率20分の1のパチンコ2000000台を打って、全部1回転目に当たる

もうゼロがどれだけ続くのか想像もできない数字ですが、兆とか京の出る幕ではないのではないでしょうか。


ここから生命には他に様々なものが必要だと思われます。つまり、自然発生と自然の生物の化学進化というのは、「大当たり確率20分の1のパチンコ100兆台を打つことを100兆回繰り返して、全部1回転目に当たる」というような(もうここまで来ると数字は適当)話で、ここで、ふと


・・・?


と思ってしまうのです。

この「超天文学的数字の確率」というのは、いくら何でもおとぎ話にもならないレベルの話なのではないだろうかと・・・。


私は揶揄とか非難とかではなく、真剣な意味で、あるいは純粋な意味で、この分野の科学者の方々に聞いてみたいのですが、それは、



世界の科学者や生物学者の人たちは本当にこの「地球では無機物から有機物が偶然生まれたということを心底信じているのだろうか?


ということです。
こここに何か疑問は感じられないのだろうかと。

私は科学の素人です。生物学も進化論も詳しくは知りません。

しかし、そんな私にとっても、「10の26000乗分の1」を何度も繰り返さなければならないような確率で生命が無機物から発生し、またそれを乗算するような確率で生物が進化してきたということは「ありえない」としか思えないのです。

確率論はギャンブルをやっているとわかりますが、意外と厳密なものです。

たかたが46億年の歴史しかない地球で、それを何兆回繰り返しても届かないような確率の中に生命の発祥の秘密があるというのはどうなのでしょう。

この「確率の疑問」こそが地球の成り立ちというシリーズを書きたかった原動力です。パチンコや麻雀を甘く見てはいけません。あれらはこの世に存在する「確率の冷徹さ」をまざまざと見せてくれます。

「この世は現実」であり、おとぎ話は通用しないはずです。

では、どうして人類史の中で「無機物から有機物がランダムにできた」というおとぎ話が通じてしまったのか。


この出発点の疑問が解ければ、この「地球の成り立ち」シリーズは続ける必要はないのです。上の細かい数字の間違いは別としても、全体としてそこにある確率が偶然で済む分母でないことは、科学にお詳しい方のほうがわかるのではないでしょうか。


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posted by noffy at 23:18 | 地球の歴史