
最近は何が何やらよくわからないですが、いろんなところでいろんな話が飛び交っているようです。
ChemBlogさんも「今、私が情報源にしているブログや団体の殆どの記事が、米国経済又は世界経済、豚インフルエンザに関するワクチン接種とそれに伴う戒厳令で溢れかえっています」のだそうで、世の中グチャーッとしてきているようですね。
その新型インフルエンザについてなんですが、田中宇さんによりますと、現在パンデミック中の豚インフルエンザのワクチンは、イギリスなどでの義務的な投与がほぼ決まっているようなのですが、何と「臨床試験を飛ばして」使われるのだそう。イギリス政府が発注したワクチンの量は9千万本だそうで、このワクチンの総量はイギリスの人口の1・5倍の量だそうで、何が何やら。
国内の感染症の現実
さて、それとはともかく、感染症研究センターから興味深いデータが出されています。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/200928/2009-28-zensu.pdf
様々な感染症のそれぞれの各週の感染報告数と今年の累計患者数ですが、まあ、エボラ出血熱だのペストだの、ほとんどはゼロなのですが、目立つのは結核患者数の増加。
7月06日〜7月12日の週だけで、報告された結核患者数は全国で、308。
今年の累計だと、全国で13825人となっています。
新型インフルエンザと比較すると、(結核は1月〜6月、インフルエンザは発生〜7月21日の約3ヵ月間)
新型インフルエンザ 国内感染者数 47都道府県 4,246人
結核 国内感染者数 47都道府県 13,825人
となっていて、結核は侮れないものとなっていることがわかります。
なぜかというと、結核という病は新型インフルエンザなど目じゃないくらい高い致死率である様子が伺えるからです。
その致死率なんですが、結核の死者数はここには乗せられていないので、昨年の結核の統計年報から推定してみます。
2008年の結核の死者数は 2,216人(結核の死者ってこんなにいたんですね)で、2008年 結核年報速報によると、新たに発症した結核患者数が24,760人ということで、新規の発症者数に対しての比率としては、約9%弱の致死率ということになるようです。
で、上の現在までの結核患者数をその9%に当てはめてみますと、今年の現在まで、
新型インフルエンザ 国内死者数 47都道府県 推定0人
結核 国内死者数 47都道府県 推定1,200人
という感じでしょうか。
感染報告のリポートには、他にも、マラリアが27(うち東京が14)とか、アメーバ赤痢が431とか、あと驚いたのが「破傷風 56」というのもありました。
新型インフルエンザと在来の病の対比
新型インフルエンザは、感染力も致死率も低いまま静かに蔓延していますが、今後どうなるかというのはまた別の問題として、現時点で「臨床試験を飛ばしてまで」強制的にワクチンを接種するほどの病気なのか。
今回の新型インフルエンザはすでにWHOでもアメリカでもなぜか、感染者数のカウントや発表をやめてしまいましたが(WHOは7/20に統計方法の変更を発表、アメリカは7/25に統計終了を発表)、7/6の時点での全世界の死者数は約429人でした。その後、新型インフル感染13万人超という報道もありましたが、各国からの正式な報告がもはやないので、これは推測ですね。
でもまあ、この発表と最新の全世界の死者数700人(こちらなどの記事)を参考として、他の病気などと比べてみます。
新型インフルエンザ
世界の感染者数 130,000人
世界の死者数 700人
致死率0.53%
結核(2006年/こちらより)
世界の発症者数 9,157,000人(感染者総数は20億人)
世界の死者数 1,566,000人
致死率17%
マラリア
世界の感染者数 推定250,000,000人(2億5千万)
世界の死者数 推定1,000,000人
致死率 推定0.4%
季節性インフルエンザ
世界の感染者数 不明(日本で毎年1000万人くらい)
世界の死者数 推定25万-50万人(日本で毎年1万人くらい)
致死率 推定0.1-0.3%程度
とりあえず、結核とマラリアと季節性インフルエンザという病の親分たちだけで、年間300万人亡くなっているということになりそうです。
桁として並べると、
3,000,000人(結核とマラリアと季節性インフルエンザ)
700人(新型インフルエンザ)
うーむ・・・ (-_-)
ついでに、
自殺
世界の死者数 約1,000,000人(ロイター)
交通事故
世界の死者数 約1,000,000人
また、日本国内限定のデータですが、「交通事故と風呂場」 死者数はどっちが多い?」という記事も興味深いものです。
2000年の厚生労働省の統計データによると
交通事故死者数 12,857人
風呂場での死亡者数 14,000人
なのだそうです。
人は生きている時に、たとえば、新型インフルエンザの報道などを見ている時に、「自分は新型インフルエンザで死ぬかもしれないなあ」と思うことはあっても、「自分は風呂場で死ぬかもしれないなあ」とは思わないような気がするのですが、実際には上の風呂場でのようにいろんな場所で人は死ぬようです。
ということで、まあ、新型インフルエンザに対して何の対策もしなくていいということではないですが、「さて、ワクチンができましたので、国民の皆さんは接種してください」と、どこからかアナウンスされた場合にどうするかという態度に関してはなかなかこれからの難しい選択かと思われます。
ちなみに、前述した田中宇さんの記事によれば、アメリカではこの秋から「6−18歳の全国民に対して、インフルエンザの予防接種が義務づけられることになりそうだ」とのこと。私ら中年は自由意志ということになりそうですが、該当年齢の人たちは学校レベルでの強制予防接種となりそうで、その場合はなかなか自由意志決定が難しいところです。
さて、どうしますかね。
臨床を飛ばして問題が起きた例としては、アメリカの1976年のギラン・バレー症候群等があり、要するに、「適当にワクチンを接種すると、理由はともかく人が死ぬ」という前例があるようです。
これからはいろいろと難しい選択が多くなりそうです。
まあただ・・・かなりの自己責任ですが、「すべてを拒絶」というのもなかなか粋かなあ、とか。
そう決めておけば、難しいこと考えずに毎日楽しく過ごせますしね。
「拒絶する楽天家」というキーワードで生きてみましょうか。
[追記] 久々に照さん
上記の記事とは全然関係ないですが、さきほどふと照さんの世見を見てみたら、何だかすごい内容でした。
» 天災だけが大変な事ではありません
という記事です。
陸では 空気に異変が
窒素、炭素、酸素の比率が少しずつ変わっていく
それに素早く気がついたのは植物
人類は 気管や肺に病気が起き始める
ウイルスではない
人々は 騒ぐ
原因が分かるに時が流れる
この答を人類が知り得た日
それは 人類絶滅を知り得た日になる
多分、私が照さんの記事を読み始めて、「人類の絶滅」という文字が直接出てきたのは、これが初めてではないですかね。
ここに「空気の病気」という単語が出てきますが、これは非常に感覚的にですが、以前書いた植物の終局という記事のあたりから、漠然と感じてはいることです。「そんなにすぐには起きないだろう」という考えがある一方で、最近の自然の急変ぶりを見ていると、「意外とすぐなのかも」と思う部分もあります。
ちなみに、最新版の WebBot 「来るべき未来の形」0巻0号には「海」に関する記述がこれまでになく多く、それは今までの「海水面の上昇」に止まらず、海洋生物の生態系の崩壊にまで触れられています。当然ながら、海洋の生態系が完全に崩壊すれば、他のほとんどの生き物も生きられないわけで(酸素なんかも海洋の生態系の恩恵のひとつだと思います)、今年から世界の人類たちは「海に今までにないほど興味を持つ」とあります。
大変ダイナミックな記述のひとつとしてはこういうものがあります。
(ここから転載)
2010年後半から2011年にかけて、オーストラリア大陸の大きさの海底の巨大な堆積層が隆起し、これによって海洋生物の食物連鎖が崩壊するとのデータがある。これにより、何十億もの人々が危険な状態に陥る。この危険な状態というのは、飢餓や病気には限られない。
(転載ここまで)
まあ、ワクチンだ何だの以前に、やはり自然の問題は重くのしかかりそうです。