2009年07月20日

皆既日食と地震と1963年のことなど

地震絡みなのですが、こちらに書かせていただきます。

実は7月7日の記事を書いた後、しばらく太陽活動周期のことを調べたりしていて、やっぱりよくわからないので放棄していたのですが、今度の7月22日には皆既日食があり、ニュースでは「1963年以来46年ぶり」とか言っていたので気になり、太陽活動と日食年のことを少し調べてみました。


日本の過去の記録されている皆既日食は、こちらのページこちらによりますと、

1887年8月19日 福島から埼玉で観測
1896年8月9日 北海道で観測
1936年6月19日 北海道で観測
1941年9月21日 与那国島で観測
1943年2月5日 北海道で観測
1963年7月21日 北海道で観測


となっていて、戦後では今回ほどの皆既日食は1回のようです。
日食なんて頻繁に起きているイメージがあったのですが、完ぺきな皆既日食となるとそうでもないようですね。


これらと地震の大雑把な相関関係ですが、1896年には明治三陸地震というマグニチュード8.5の壊滅的な規模の地震が、岩手県沖で発生しています。
北海道から宮城県まで最大4メートルの津波に襲われて、2万1915名が亡くなったそうです。

1936年には、マグニチュード7.4の1936年宮城県沖地震が発生。

1941年には長野地震、1943年には時期も(7ヶ月後)も、観測地の北海道からも遠くて、相関関係を見るには無理がありそうですが、マグニチュード7.2の鳥取地震(死者1083人)が発生しています。

1963年には、日食が観測された同じ地域で日食から3カ月後の10月13日にエトロフ島沖地震というマグニチュード8.1の大変大きな地震が起きています。日本では被害はほとんどなかったようですが、ウルップ島では最大15mの津波が発生したらしいです。都市部の沿岸で起きることを想定すると結構深刻な規模ではあります。

他にも、こちらなどでも相関関係は伺えるのですが、ちゃんと発表された論文等がどうやら存在しないようで、どうしても感覚的なものにはなってしまうかもしれません。ヤスの備忘録の最新記事で、このことにふれられていることに気づきました)


これらの日食と地震発生の関係についてはここでは予備知識というか、本編は、これらに太陽活動の関係を当てはめてみた時にどうなるかというところにあります。



地震と太陽活動の関係

さて、上の「皆既日食の年と大地震」の時期に太陽活動を絡めてみたいのですが・・・なかなかきちんと調べるのは難しいですね。とりあえずは「太陽活動周期と上の地震の時」とを単純に合わせて見てみました。

グラフはNASAの作成した太陽黒点数の変化を表したグラフを使用します。


800px-Sunspot-number.gif

太陽活動周期というのは、約11年周期で、活発になったり静謐になったりする太陽の活動状態のサイクルで、黒点活動などと関係があります。1750年頃のサイクル1から観測が始まり、現在は、先日の7月7日頃から現れた黒点1024と共に「サイクル24」に入ったということが NASA から発表されているようです。(ヤスさんの7月8日の記事などもご参照下さい)

以前書こうと思って調べていたメモがあるのでそれも記しておきます。歴代の太陽活動周期とそのピークの時に起きた社会的な事件ですが、なかなか壮観ですよ。

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第1太陽活動周期(1755年前後に観測開始)

第2太陽活動周期(1760年前後がピーク) 

第3太陽活動周期(1770年前後がピーク) 

第4太陽活動周期(1780年前後がピーク) 小氷期(1780年)

第5太陽活動周期(1790年前後がピーク) フランス革命(1789年)

第6太陽活動周期(1805年前後がピーク) 神聖ローマ帝国の解体(1806年)

第7太陽活動周期(1815年前後がピーク) ウィーン体制の開始(1815年)、タンボラ火山の噴火で世界が寒冷化(1816年)

第8太陽活動周期(1830年前後がピーク) ギリシャ独立(1829年)、フランス7月革命(1830年)

第9太陽活動周期(1838年前後がピーク) アヘン戦争(1840年)

第10太陽活動周期(1850年前後がピーク) 太平天国の乱(1851年)、黒船来航(1853年)

第11太陽活動周期(1860年前後がピーク) アメリカ南北戦争(1861年)

第12太陽活動周期(1870年前後がピーク) 独仏戦争(1870年)

第13太陽活動周期(1885年前後がピーク) 甲申政変(1884年)

第14太陽活動周期(1895年前後がピーク) 日清戦争(1895年)、第1回夏季オリンピック(1896年)

第15太陽活動周期(1918年前後がピーク) ロシア革命(1917年)、ドイツ革命(1918年)

第16太陽活動周期(1930年前後がピーク) 大恐慌スタート(1929年)

第17太陽活動周期(1940年前後がピーク) 第二次世界大戦勃発(1939年)、太平洋戦争(1941年)

第18太陽活動周期(1948年前後がピーク) 第1次中東戦争(1948年)、NATO成立(1949年)、中華人民共和国成立(1949年)

第19太陽活動周期(1958年前後がピーク) チベット動乱(1959年が頂点)

第20太陽活動周期(1970年前後がピーク) ブレトン・ウッズ体制の終了(1971年)

第21太陽活動周期(1980年前後がピーク) イラン革命(1979年)

第22太陽活動周期(1990年前後がピーク) ソ連崩壊(1991年)

第23太陽活動周期(2000年前後がピーク) 通貨ユーロ(1999年)、アメリカ同時多発テロ(2001年)

第24太陽活動周期(現在。予想されるピークは2012年頃)

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となっています。

さて、この周期と皆既日食の年の大地震を照らし合わせてみます。
太陽活動がピークに近い時には宇宙線の地球への作用は小さいと考えられます。

1896年6月15日 明治三陸地震 → 太陽活動の比較的ピーク時

1896-s.jpg


1936年11月3日 宮城県沖地震 → 太陽活動の静謐期

1936-s.gif


1941年7月15日 長野地震 → 太陽活動の比較的静謐期

1941-s.jpg


1943年9月10日 鳥取地震 → 太陽活動の静謐期

1941-s.jpg


1963年10月13日 エトロフ島沖地震 → 太陽活動の静謐期

1963-s.gif

となっています。

一応、太陽活動が弱い時が多いですが・・・まあ、サンプル数が少なすぎてよくわかんないですな(笑)。



1963年について

前回規模の大きな皆既日食が日本で観測された1963年というのは、いろいろな意味で大きな年だと考えていますが、このことに関してはヒジョーに長くて意味がわかりにくくなると思われるのでうまく書けないのです。なので、触れないことにいたします(苦笑)。

世代的な問題への言及などにもなって、私がクレアの更新がしにくくなったのも、この「1963年」の問題もひとつあります。ここを追求しきらないと私は次に進めない・・・という想いのようなものがあるのです。


そして、何の根拠もない話ですが、私自身は、「1963年の概念がどの部分かで今年2009年あたりでも繰り返されるのでは」と考えていたりします。1963年にもいろんなことがありましたが、個人的に注目すべきは、

» バリ島のアグン山の噴火活動開始。(これにより短期間のミニ氷河期が発生

» ストックホルムで天然痘がアウトブレイク

» 法王ヨハネ23世死去。

» ケネディ暗殺

» アレシボ天文台(世界最大の電波望遠鏡)の運用がスタート。

» アイスランドで海底火山で新島が誕生する(スルツェイ島)。

などでしょうか。

繰り返すといえば、1963年にイタリアで2,600人の死者を出したバイヨントダムの地すべりというのがあったようですが、昨日、ドイツで似たような大規模の地滑りが発生していました。ドイツ東部で地滑り、2人不明(2009.07.18 AFP)

このドイツのは写真がすごいですよ。

jisuberi.jpg



キング牧師の「私には夢がある」演説も1963年ですが・・・繰り返されますかね。




「私には夢がある
人種差別主義者に牛耳られ
連邦政府の干渉排除や連邦法の実施の無効化を
州知事が唱えているこのアラバマ州においてさえ
将来いつの日か、
幼い黒人の少年少女たちが
幼い白人の少年少女たちと
手に手を取って
兄弟姉妹となることができるという夢が」






というわけで、全体的にわかりにくくなってしまったので、まとめておきますと、

・過去において皆既日食と地震には曖昧な関係は認められる。
・関係があるとすると、月の引力と地震の関係等の仮説。(防災科学技術研究所の発表など)
・ただ、日食から地震発生までの期間が曖昧なので(バラバラなので)時期の推定は難しい。
・太陽活動(宇宙線の強弱)との関連も確実なことは言えないけれど、太陽活動が弱い時に地震が起きやすい傾向。
・私個人としては以前紹介した丸山教授の話にあるように「宇宙線と地震発生の関係」が基本概念。


というような感じです。

つまり、仮に今後地震が起きるとすれば、「日食後、太陽活動が弱い時、たとえば、黒点が地球から裏側に回っている時(今もそうです)や、太陽活動そのものが静謐な時(今年の7月までなど)に最大公約数は求められそう」・・・ではあるのですが、そんなことで計算できるほど自然は甘くないっスね。


そういえば、先日の週末に友人たちと吉祥寺で深夜まで飲んで騒いでいたんですが(若者か!)、「吉祥寺UFO騒動」というべきものを、何と私が巻き起こしてしまったので(笑)、機会があればお話します。

こちらは大変楽しい話ですよ。


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posted by noffy at 03:39 | 地球の歴史