と・・・思いましたら、このことがヤスの備忘録の最新記事に詳しく書かれてありましたので、基本的にはそちらをお読みいただくといいかと思います。
補足として少し書かせていただきます。
書くことを迷った最大の理由はこれがミステリーサークルの解読に起因していることからです。発生原因自体がよくわからないミステリーサークルという現象に対しての解説はいろいろと誤解を招きやすいのですが、元記事がEarthfilesという、とても真面目なニュースサイトでもあり、書くことにしました。
もしかしたら、長くなるかもしれませんので、最初に要点だけ書いておきます。
・最近、英国で発見されたミステリーサークルに関して匿名を含む複数の科学者たちが見解を出した。
・それは、この図柄が「天体や物標の高度を計る六分儀を示していたり、また、別の図は地動説(1540年)以前に使われていた地球と太陽系の惑星等の位置関係を示す図ではないか」と。
・そして、さらにその中のひとつのサークルは「地球を太陽フレアによるCMEというコロナの噴出が襲う日時を天体の位置と六分儀によって示しているのではないか」と。
そして、その日付は2009年7月7日 標準時17:00ではないかと。
そうなんですよ。
あと2日後なんです(苦笑)。
だから書いてみました。
今回はこの予測というより、「太陽フレア」についての再学習ということでしょうか。時期はともかく、太陽活動の極大化に伴って、その地球への直撃と影響は今後まず起きるとされていることですので。
一応、Eathfiles にある図も載せておきます。

▲ 1540年にコペルニクスによって唱えられる地動説以前に使われていた、天動説での太陽系の配置模型。地球が真ん中にあります。

▲ これを図にするとこうなります。中心の地球から外に向かって、1=月、2=水星、3=金星、4=太陽、5=火星、6=木星、7=土星です。

▲ これが今回のミステリーサークル。概念としては上の2つの図と照らし合わせて何となく相関関係はおわかりかと思います。サークルで7の土星が抜けていることが日付の特定に結びついているようです(火星と重なり、地球から見えなくなる)。土星といえば、今年の9月には土星の輪が見えなくなるらしいですね。1995年以来だとか。

▲ これが六分儀という天体や物標の高度や角度などを測るための道具

▲ 件のサークルの下の部分。ここが六分儀を示しているのではないかということらしいです。地球が涙型の形は、CMEとの関連を示しているらしいですが、このあたりの説明はよくわかりません。
記事はこちらのページにあります。
そもそもCMEとは何か
太陽フレアとかCMEなどに関しては、私もブログで書き始めてから知ったことでありまして、理解がとても中途半端なので、間違い半分だと思って読んで下さい。
大体の輪郭としては、ナショナルジオグラフィックの日本語版のビデオがわかりやすいかと思います。
また、次に太陽活動が極大化する時期である2012年に起きる可能性を指摘されている太陽嵐の直撃については、
» 強力な太陽嵐で2012年に大停電? 対抗策は[WIRED VISION]
» 磁気シールドに破れ、太陽嵐の影響懸念[ナショナルジオグラフィック]
などがわかりやすいと思います。
これらが地球に与える影響の流れをものすごく簡単に書きますと、
1. 太陽の表面が爆発する(太陽フレア)
↓
2. これにより、多くの放射線や電磁波等が発生し、また、コロナ質量放出というプラズマの放出が起きる。
↓
3. 地球に到達した場合、デリンジャー現象と呼ばれる通信障害や、全世界的に地磁気が減少する磁気嵐という現象で、人工衛星、電子機器などに影響が出る可能性がある。
というような感じです。
もちろん、これは規模にもよるでしょうし、NASA の推測では本格化するのはあくまで2012年であり、仮に今度の7月7日に起きるとしても、今の太陽活動のレベルから見るとそんなに大規模なものではない・・・と願いたいですが。
最近では、1989年に発生した太陽フレアが地球を直撃して、カナダ・ケベック州の電力網を破壊しています。これは当時、600万人に影響を与え、復旧に数ヶ月かかったのだそう。ただし、1989年といえば、まだまだインターネットも携帯電話もほとんど普及しておらず、そのあたりを考えると今の世の中で起きた場合、なかなか興味深いものがあります。
2003年には観測史上最大の太陽表面の爆発が発生して、通信障害等は起きたものの、フレアが地球を直撃しなかったので被害は小さかったようです。 NOAA の予報官のビルさんは「フレアによる嵐が地球を直撃しなかったのは本当に幸運だった」と言っています。やはり、直撃は困る事態のようです。
太陽フレアが発生してから、地上に影響等が出るまでの時間に関しては、WIRERD VISIONの2009年4月の記事にこういう記述があります。
太陽嵐が起こると、まず8分程度で電磁波が到達し、電波障害が生じる。次に数時間で放射線が到達。数日後にはコロナ質量放出の影響で、誘導電流が送電線に混入した場合に電流が乱れ、停電、電力システムの破壊を招く可能性がある。
つまり、今回のミステリーサークルの解読をそのまま当てはめた場合、このような感じになります。2009年7月7日 17:00の時間に関しては、いわゆる標準時で、日本だと、7月8日の深夜2時くらいになるでしょうか。
1. 7月8日の深夜2時に太陽フレア発生
2. 太陽フレア発生から約8分後に電磁波が地球に到達。電波障害が発生
3. 7月8日の早朝までに放射線が到達。影響は不明
4. 7月8日から数日内(72時間内として3日以内程度)で、コロナ質量放出の影響が出る。停電、電力システムの破壊
5. ダメージを受けた場所では、復旧に結構な時間がかかる
というような感じでしょうか。
復旧の時間に関しては、前述した1989年のカナダ・ケベック州の電力網の場合で数ヶ月。
ただ、NASA が米国で2012年に起きた場合の想定では、
> 米国での被害額は「最初の1年間で1兆〜2兆ドル」にのぼり、「完全復旧には4年〜10年」を要すると報告書は予測している
のだそうで、規模により様々ではありましょうが、影響が大規模な場合はわりと深刻なこともあり得るようです。
恐いのは、やはり「現代生活の礎が電気と通信によるもの」ということだということなのだと思います。
太陽フレアが初めて観測されたのは1859年にイギリスの天文学者によってで、それ以来、150年の観測の歴史があるのですが、観測以前にも非常に規模の大きなCMEが何度かあったのではないかと思われます。
でも、その頃、人々はまだあまり電気を使っていなかったし、パソコンもインターネットもなく、それ以前どこまで遡っても、今ほど電気の上で多くの人々が暮らしていた時代はなかったのではないでしょうか。
なので、7月7日という予測日はとりあえず忘れていただいて結構でしょうが、今後、多分、太陽活動の極大期に入る2012年頃までには、確実に太陽嵐の影響はあると思います。そして、中にはデイムス少佐のように、地球の気候や気温そのものに影響を与えるような暗い未来を唱える人もいます。
全社会の問題はともかく、具体的にこういうものには留意すべきではないかというようなことは思います。いわゆる通常の停電ではないので、個々の非常用発電も効かなくなる可能性もあるとした上でですが、
・飛行機全般
・救急医療、生命維持装置
・都市部の上下水道
・デジタル通貨やあらゆる金融のデータ
・警察や軍の連絡手段
などです。
他にもいろいろとありそうですが、相当な田舎で暮らしているわけでない限り、電力網の影響は大きそうです。
実は今回の件で一番個人的に面白いと思うのは、もし仮に7月7日に太陽フレアが発生した場合、今後、そういう視点(つまり、予言的な視点)で、ミステリーサークルを研究するという側面も出てきそうで、そのあたりはおもしろいかとも思います。まあ、私自身はミステリーサークルに関しては「どうにもわからないもの」としか言いようがなく、今回のことは Earthfiles の記事の紹介というような感じです。
太陽活動のリアルタイム情報では、NICT 宇宙天気情報センター などで見られます。

7月5日現在は「Bクラスの小さなフレアが頻発している程度で、太陽活動は概ね静穏な状態が続いています」とのことで、地磁気嵐、通信障害などは起きていないようで、基本的に太陽は静かなようです。
これなら安心でしょうかね。
なお、ひとつ嬉しいことがあるとすれば、巨大な太陽フレアが地球を直撃した場合、地球上のいろいろなところで「オーロラが見られるかもしれない」ということです。まさに末期的な光景ではありますが、都市機能が麻痺した都会の夜空に光り輝くオーロラを恋人と見る・・・なんてのもいいかもしれませんね(それでいいのか、おい)。
ただ、まだ調べている最中ですが、極端に磁気嵐が強いと、地球の磁場そのものに影響を与えるようですね。地球がグラグラになっちゃう。
[追記] 2009.07.06
上の記事を書いたのは今朝方なのですが、その後、NASA のスペースウェザーに「SUDDEN SUNSPOT (突然の太陽黒点)」という内容のページがアップされていました。この48時間で突然できたものだそうで、「太陽黒点1024が驚異的な速度で突然現れた」と書かれてあります。
このことはヤスの備忘録でにも付記として書かれていて、そこに「太陽フレアの活動とX線の強度」の関係のことが乗せられていました。これは「フレアの強さ」のことのようで、私の知りたかったことなので、転載しておきます。
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・Xクラスフレア
太陽フレアの放出するX線強度が10の-4乗[W/m^2]以上の「非常に活発」なフレア
・Mクラスフレア
太陽フレアの放出するX線強度が10の-5乗[W/m^2]以上で10の-4乗[W/m^2]未満の「活発」なフレア
・Cクラスフレア
太陽フレアの放出するX線強度が10の-6乗[W/m^2]以上で10の-5乗[W/m^2]未満の「少し活発」なフレア
・Bクラスフレア
太陽フレアの放出するX線強度が10の-6乗[W/m^2]未満の「小規模」なフレア
----------------------------------------------------------------------------
個々の数値はまったくわかりませんが、つまり、Xが最強で、以下、M、C、Bとなっているようです。今回観測されるかもしれないフレアは「BかC」という予測ということで、まあ・・・大丈夫じゃないですかね(楽天家)。
宇宙天気情報センターの方は、宇宙天気ニュースが、2009/ 7/ 6 09:59 に更新されています。
1024黒点群で、C2.7の小規模フレアが発生しました。Cクラスフレアは7ヶ月ぶりです。
とのこと。
今後の推移を見守りたいところですが、規模はともかく、7月7日前後のフレア自体の発生は相当確率が高くなったようです。
でも、上に書いたようにレベルは低く終わるような感じではあります。
今日の宇宙天気の動画はこちらです。

▲ 下方右寄りにフレアが発生してるのがわかります。
また、宇宙天気ニュースの詳細には
高速風の発生源としては、十分な規模を持っている様ですが、
緯度が高めなので、地球への影響がどうなるか注目されます。
影響の開始は、3〜4日ほど先となるでしょう。
とあります。
ドーン!(何の擬音だ?)
[追記](2009.07.09)
ヤスの備忘録の最新記事で、今回のミステリーサークルに関しての NASA の見解が述べられていて、それによると、今回の黒点(1024)の出現によって、太陽は新しいサイクルの「第24太陽活動周期」(サイクル24)に入ったのではないかということです。
第24太陽活動周期は昨年2008年から始まった始まったと言われて結局、始まっていなかったというもので、それが始まったということなのかもしれません。
今回のヤスの備忘録の内容は、ミステリーサークルの解読などに関して少し難解ですが、マヤ文明マニア(笑)にはたまらなく興味深い内容に綾取られていますので、ぜひ読んでみて下さい。人類文明の新しいサイクルも始まるのかもしれません。
ドーン!(だから何の擬音だ!)