ミツバチが各国で次々といなくなっていることで、いずれは植物の受粉に大きな影響を与えるのではないだろうかというようなことを先日書いて(こちらの記事です)、まあ、「酸素が云々」という極端な書き方をしてしまったのですが、ミツバチがいなくなることで一番気になるのは、やはり農作物への影響だと思います。
そんな今朝、また少し関連があるかもしれないニュースを見つけました。
Fox ニュースのOfficials Ask People to Stay Out of Caves Where as Many as 500,000 Bats Have Diedというニュースです。
白い鼻症候群(white-nose syndrome)という謎のコウモリの病気と見られるものがアメリカで大流行していて、大量のコウモリが死んでいるようです。それが現在も猛烈な勢いで広がり続けているということです。
このニュースで大事なのは、人間への影響のことではなく、「農作に於けるコウモリの役割」。コウモリは基本的にはアメリカでは益鳥と考えていいかと思われます。
英語のニュースなので、適当に訳して掲載しておきます。
訳は適当で、また大事そうなところだけをピックアップしていますので、最終的にはご自分で確認されて下さい。
50万匹のコウモリのいる洞穴から離れるように当局から要請
(Fox ニュース 2009/03/26)
米当局者は、ウェスト・バージニア州からバーモント州の洞窟に近づかないようにと注意を促しています。
そこでは、50万匹以上と推察されるコウモリが「白い鼻シンドローム(white-nose syndrome)」と呼ばれる病気で死んでいるのが見つかっています。
米国魚類野生生物局は、洞窟探検などをする時に受ける様々な可能性に注意した方がいいと言っています。 ただし、この白い鼻シンドロームが人間に対して悪影響を及ぼすかどうかについては今のところはわかっていません。
野生生物サービススポークスウーマンのダイアナ・ウィーバー氏によると、このコウモリの症候群は今年の冬に、ニューハンプシャー州からウェストヴァージニア州に至るまでの8つの州で確認されていますが、現在ではヴァージニア州にまで広まっている可能性があるとのことです。
コウモリの大量死は50万匹を越えていると見られ、さらなる大量死が懸念されています。なぜなら、このコウモリたちは、小麦やりんごや他の数々の作物を荒らす昆虫を食べてくれるからです。
他の調査では、テネシー州、ケンタッキー州、およびノースカロライナ州、そして、メイン州西からオハイオ州まで伸びている可能性があると、ウィーバー氏は語ります。
専門家たちは、コウモリたちが寒くて湿気の多い洞窟に住んでいることによる菌類の感染の疑いを推測していますが、いずれにしても、ニューヨーク州のオルバニーで2年前に最初に発見されてから、今ではこのシンドロームの範囲はすでに400マイル(640キロメートル)に広がっているのです。
ということで、アメリカでバタバタとコウモリたちが死んでいるようなのですが、次の部分が気になりました。
> コウモリたちは、小麦やりんごや他の数々の作物を荒らす昆虫を食べてくれる
というところにあるように、コウモリは害虫の天敵であり、その駆除の役に立っていたようなんですね。
コウモリと人との関わりというページによると、
「コウモリは、蚊や蛾などの農業にとって害となる昆虫をたくさん食べてくれるため、人の役にもたっています。昔、アメリカの西部開拓時代には、その土地を切り開く前にコウモリ塔を建てコウモリのすみかを増やし、蚊を少なくしてから開拓を始めたそうです」
のだそう。
なんかこう・・・
・受粉を一手に引き受けていたミツバチたちがいなくなった
・害虫を食べてくれていたコウモリたちがいなくなった
と、アメリカは農業に関しては今年は厳しい年のスタートになるかもしれません。
もちろん、日本もミツバチは減り続けています。
次はスズメとかいなくなるのかなあ。
なんか最近は「実はいろんな生き物たちの行動が人間が生きるために必要なものだったんだなあ」とということを知って、「もっと感謝しておくべきだった」とひしひしと感じます。
まあ、もう今さら「ミツバチさんごめんなさい、コウモリさんごめんなさい」と言っても遅いんでしょうね。食糧の消失という形で報復されるのかもしれないです。