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2014年11月13日

パンク的思い出補正の日々の中

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・何十年か前の自分。東京・渋谷のギャラリーの屋上です。


そういえば、前回記事で、父親にガンが見つかったということを書いたのですが、最近、2週間の精密検査から退院しまして、ガンではなかったことがわかりました。全身検査をしたようなんですが、良性のポリープがいくつか見つかっただけだったそうです。

電話をしましたら、すでに父親はお酒を飲んでいました。
酒に関しては、私も同じように病床でも飲みますので、同じようなものですかね。

まあ、しかし、今回ガンではなかったとはいえ、年は年(約80歳)ですので、いろいろとそんなに遠い話ともいえないということも言えなくもないです。

そして、自分の年齢も、ふと思えば結構なところまで来てしまっています。

先日のチュ……何とか彗星のことを書いた In Deep の記事など、冒頭が「最近、物忘れが激しくて」というフレーズで始まっていますが、特に冗談でもないです。

特に、最近は何でもインターネットで検索すればわかるということもあり、すぐに検索してしまうというあたりも、「自力で思い出す」という力を衰えさせている感じもします。

そんな中で、先日、

AC/DCのフィル・ラッド逮捕、殺し屋雇い殺人計画した疑い
 AFP 2014.11.06

という記事を見まして、まあ、記事の内容はタイトルの通りなんですが、それよりも、その記事の最後のほうに書かれてあった、

AC/DCは9月、創設メンバーのマルコム・ヤング(Malcolm Young)が認知症のためシドニーの施設で治療を受けていると発表した。

と書かれてあることに注目しました。

「AC/DCの創設メンバーが認知症……」

私は中学生以降、パンクばかり聞いていて、ハードロックはまったく聴かなかったですので(当時、パンクが好きな人は、ハードロックが嫌いな人が多かったです)、 AC/DC の曲はまったく知らないのです。

しかし、さすがに「世界で3番目に売り上げたアルバムを持つ」ほどの超メジャーではあるわけで、そのような一世を風靡したハードロックバンドのオリジナルメンバーが「認知症で活動不可能」という響きはどことなく寂しいものがあります。

ちなみに、2014年現在までに、ベスト盤などを除いて、歴代で売れたアルバムのベスト3はこちらのページによりますと、

1位 1億1000万枚 マイケル・ジャクソン 『スリラー』 1982年

2位 4千500万枚 ピンク・フロイド 『狂気』 1973年

3位 4千200万枚 AC/DC 『バック・イン・ブラック』 1980年

となるとのこと。

累積の売り上げでは世界でトップクラスでのアルバムの売り上げを持つレッド・ツェッペリンだとかビートルズなども、単体アルバムとして見れば、たとえば、レッド・ツェッペリンで最も売れた4枚目のアルバム(タイトル名は特になし)でも3700万枚、ビートルズで最も売れた『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』で、3200万枚でした。

マイケル・ジャクソンの1億1000万枚というのは、ちょっと尋常ではない枚数で別格ですが、AC/DC の4200万枚というのも、壮絶なものだと思います。

こんな人たちの創設メンバーが認知症で引退……。

その認知症で引退した人はマルコム・ヤングという人だそうですが、 Wikpedia によりますと、1953年 1月 6日生まれの 61歳とのこと。

まだ 61歳。

今年になってからバンド活動継続が困難になったと発表されたということは、かなり以前より認知症を発症していたと考えるほうが妥当で、50代くらいから何らかの症状は出ていたのだと考えられます。

50代。

私も昨年からその領域に入っているわけで、何となく人ごととも思えず、記事を読んでいました。

私は、自分がアルツハイマーなどを含めた認知症的なことで周囲に迷惑がかかりそうだとわかった時にすることはすでに決めていますが、AC/DC のメンバーのニュースを見ていますと、それは遠くもないのかもしれない……などとも思い、このニュースを見て以来、十代、二十代の頃によく聞いていた音楽を再びよく聞いています。

今年はリラックス系とか、ソルフェジオ系とかを聴くことが多かったんですが、しかし、十代、二十代で聴いていたパンクやノイズを聴いていると、「そちらのほうが精神的に落ち着く」ことに気づきました。

もともとがそういう指向と渇望があったからこそ、若い時にそちらに進んだのであって、それは年齢を重ねても同じなのだと実感しました。美しさより破壊の方向を好む。

カセットなども発掘していると、何十年も忘れていたような音楽も出てきます。

最近発掘された中では、現在は作家の町田町蔵(町田康)さんの、1987年の……アルバムのタイトルは忘れましたけれど、その頃(私は23歳)好きだった曲を何十年かぶりに聴いて、なかなか嬉しかったです。

町田さんは歌詞が難解なことが多く、この曲も内容はよくわからないですし、そもそもタイトルも意味がわからないですが、全体として「哀愁」があります。

町田町蔵 - 木偶の棒陀羅(1987年)



時期としては、町田さんが1980年代の始めから続けていた「パンクス」という立場から少しずつ変化していく頃で、多分、このアルバムが彼の「ラスト・パンクアルバム」というような感じもします。

曲の4分過ぎ頃から曲のラストまで繰り返し呟いたり叫んだりする、

「こら、刺してみい! 刺さんかい!」

というフレーズが、彼の「バンクからの卒業」のフレーズにも聞こえます。

むかしの音楽シーンを懐かしむのは、いわゆるネット用語での「思い出補正」に過ぎないのか、そうでもないのか、それはよくわからないです。

けれど、20年前、30年前というのもそんな昔の気もせず、「人生って結局は瞬間だな」と何となく思ったりします。


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posted by noffy at 11:15 | ペアである自分